アスパルテームとは。特徴や安全性についても詳しく解説

飲料やカロリーオフのお菓子によく使われている「アスパルテーム」は、食品表示シールで見たことのある人も多いのではないでしょうか。
しかし、正確にアスパルテームが何なのかを知る人は多くないでしょう。
アスパルテームとは食品に対してどんな役割をしているのか、その安全性についても解説します。

目次

アスパルテームとは

アスパルテームとは人工甘味料の1つです。
厚生労働省が使用を認めている「指定添加物」に分類されています。
人工甘味料の中でも有名で、世界でも100カ国以上に使用が許可されている食品添加物です。

アスパルテームの構造

アスパルテームは、アスパラギン酸とフェニルアラニンという2種類のアミノ酸から作られています。
アスパラギン酸とフェニルアラニンには甘みはありませんが、この2つのアミノ酸を結合させると強い甘みを持つ化合物「アスパルテーム」になります。

アスパルテームの特徴

アスパルテームの特徴は、やはりその強い甘みでしょう。
砂糖の200倍もの甘みがあるので、少量で甘みを感じられます。
アスパルテームは、砂糖に似たクセのないすっきりとした甘みをもっているので、砂糖の代用品として使われることが多いです。

アスパルテームのカロリーは砂糖と同じで1g=4kcalですが、砂糖よりも少量で甘みが出せるので、カロリーを抑えることができます。
そのため「カロリーオフ」や「糖質オフ」の食品にはアスパルテームがよく使われています。

アスパルテームの歴史

アスパルテームは1965年アメリカの製薬会社での研究中に、偶然発見された人工甘味料です。
研究員が偶然手についたアスパルテームをなめたところ、非常に甘かったことから見つけられました。

その後、アスパステームについての研究や安全性の実験が行われ、アメリカで1981年に使用が許可されました。
日本では、1983年に厚生労働省により食品添加物に指定され、使用が許可されています。

アスパルテームの安全性について

アスパルテームは非常に便利で、わたしたちの生活に溶け込んでいますが、安全性についての議論は絶ちません。
結論として、アスパルテームはさまざまな研究によって安全性が高く評価されている食品添加物です。

厚生労働省に認可された食品添加物

新しい食品原料の使用を許可するためには、厳しい安全性の実験が行われます。
「アスパルテーム」も例外なく、実験・検証されて、1983年に厚生労働省により食品添加物に指定され、使用が許可されました。

実験は動物実験によって、健康に害のない安全である1日の摂取量を求め、さらにその1/100の量を「一日摂取許容量(ADI)」として定めています。
実験では、発がん性や次世代への影響などさまざまな観点から安全性をチェックしています。

フェニルケトン尿症の方は注意が必要

フェニルケトン尿症の方にとっては、アスパルテームは注意すべき食品添加物です。

フェニルケトン尿症では、フェニルアラニンを分解できません。
フェニルアラニンの摂取を続けると体内にフェニルアラニンが蓄積し、知的障害を引き起こします。

アスパルテームは「アスパラギン酸」と「フェニルアラニン」の化合物です。
そのためフェニルケトン尿症の方は、アスパルテームの摂取を制限しなければなりません。

フェニルアラニンは、タンパク質を構成するアミノ酸のひとつなので、フェニルケトン尿症の方はたんぱく質の食事制限をしています。
たんぱく質であれば「肉」「魚」などわかりやすいのですが、アスパルテームはフェニルアラニンが含まれていると知っていなければ分かりません。

アスパルテームの表示方法

アスパルテームを使用する場合は「L-フェニルアラニン化合物」を表示することが食品衛生法の食品表示基準により、義務づけられています。

例:アスパルテーム(L-フェニルアラニン化合物)

フェニルケトン尿症で、フェニルアラニンの摂取をコントロールする必要がある方は、食品表示を確認しましょう。

アスパルテームの1日の許容摂取量(ADI)は約2g

アスパルテームの1日許容摂取量(ADI)は 2344mg/日(約2g) に設定されています。
食品に含まれるアスパルテームはとても少量なので、1日許容摂取量を超えることはほとんどありません。

厚生労働省で行われる食品添加物の摂取量の調査によれば、1人当たりのアスパルテームの摂取量は、一日許容摂取量を大きく下回る数値であると確認されています。

まとめ

アスパルテームは、アスパラギン酸とフェニルアラニンから合成される強い甘みを持つ人工甘味料です。
その特徴からカロリーオフの飲料やお菓子に多く使用されています。
安全性は厚生労働省により実験・検証を重ねて確認されており、1日の許容摂取量が定められています。
健康な人にとっては安全性が認められていますが、フェニルケトン尿症の方にはアスパルテームの摂取を制限する必要があります。

アスパルテームとはなにかを理解し、食品を選ぶときの参考にしてくださいね。

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