調味料のアミノ酸等って何?アミノ酸との違いや安全性について解説します

食品の原材名に『調味料(アミノ酸等)』と書かれているのを見たことがある人も多い
タンパク質の構成成分として、さまざまな食べ物に含まれている「アミノ酸」。
食材に含まれているものと、添加物として使われているものとではどのような違いがあるのでしょうか。
この記事ではアミノ酸等とは何なのか、使用目的や安全性などを詳しく解説します。

目次

加工食品に含まれているアミノ酸 “等”って何?

アミノ酸”等”とは?

アミノ酸はインスタント食品やスナック菓子などのさまざまな加工食品の「うま味成分」として使われています。
食品の原材料名の欄に「調味料(アミノ酸等)」と書かれているのを見たことがある人も多いでしょう。
調味料のなかで、かつお節やこんぶなどに含まれるうま味成分を化学的に抽出・合成したものは、添加物として取り扱われます。
添加物の調味料は成分によってアミノ酸・核酸・有機酸・無機塩の4つに分けられます。
これら4つのうち2種類以上を使用した場合、1番分量の多い種類名のあとに「等」をつけて表示する決まりになっているのです。

アミノ酸等はどういう目的で使われている?

アミノ酸がほとんどの加工食品に使用されるのは、手軽にうまみ成分が加えられるからです。
うまみ成分には酸味と苦味を和らげる、塩分が少なくてもおいしく食べられるといったメリットがあります。
また、食材本来の味のよさを引き出せることもあり、アミノ酸を用いた化学調味料が日本で広く知られるようになりました。
アミノ酸を使えば、かつお節やこんぶで出汁をとる必要がなく、忙しい人でも簡単にうま味が楽しめるよう、さまざまな加工食品や調味料に使われてきました。

食材のアミノ酸と添加物のグルタミン酸ナトリウムはどう違うの?

手軽においしい食事が取れるようにと広まりましたが、アミノ酸などの化学調味料には安全性に疑問の声もあります。
添加物のアミノ酸としてよく使われるものが「グルタミン酸」です。
グルタミン酸はトマトやこんぶ、チーズなどにも含まれています。
では、食品に含まれているうまみ成分と添加物には、どのような違いがあるのでしょうか。

自然の食品に含まれるグルタミン酸は、タンパク質や他のアミノ酸と結合して存在しており、消化器系でゆっくりと消化されます。
一方で添加物のグルタミン酸は、ナトリウムと結びついた「グルタミン酸ナトリウム」。
水に溶けやすく、体に吸収されやすいといわれています。

添加物のアミノ酸は安全?

添加物のアミノ酸の安全性は、専門家でも意見が分かれるところ。
世界のさまざまな研究で安全性が認められている一方で、過剰摂取による危険性も問題視されています。
グルタミン酸ナトリウムを大量に摂取すると神経細胞に影響し、頭痛や手足のしびれ、のぼせなどの症状が起きるといわれています。

また動物実験から、肝臓がんや大腸がんなどが発生したという報告もあるのです。
妊娠中や授乳中の方がアミノ酸を摂取したために危険を伴ったという報告はありませんが、信頼できるデータがないのも事実。
アメリカでは、ベビーフードにグルタミン酸ナトリウムの使用が禁止されています。
しかし人体に影響があるとの報告はなく、日本では安全な調味料として広く使用されています。
安全性についての研究も行われていますが、大量に摂取するのは控えるといいでしょう。
アミノ酸はさまざまな加工食品に使用されているため、自分では気が付かないうちに多くの量を摂取している可能性も。
できるだけアミノ酸などの添加物が入っていないオーガニックの調味料などを使うといいでしょう。

アミノ酸から発がん性物質が?アミノ・カルボニル反応について

アミノ酸は、調理法や加工方法によって発がん性物質が発生してしまうこともあります。
アミノ酸と糖類を加熱すると「アミノ・カルボニル反応」が起き、別の物質に変化します。
この反応によって、食品の味や香り、色などが得られる、食品を加工する上で大切な化学反応です。
しかし近年このアミノ・カルボニル反応によって発がん性物質「アクリルアミド」が生成されることがわかりました。
アミノ酸の一種の「アスパラギン」とブドウ糖などの「還元糖」を高温(120℃)以上で調理すると、アミノ・カルボニル反応が起き、「アクリルアミド」という発がん性物質が生成されてしまうのです。
とくにアクリルアミドが多く含まれている食品は以下の通りです。
・ポテトチップス
・フライドポテト
・ビスケットなどの焼き菓子
これらの食品でも、製造方法や原材料の成分によって、アクリルアミド濃度は異なります。
世界中の食品企業はアクリルアミドをできるだけ減らせるよう日々研究を続けています。
健康被害を受けないためにも、アクリルアミドのレベルが低減された商品を選び、毎日の食事の栄養バランスに気をつけましょう。

まとめ

添加物としてのアミノ酸の特徴や使用目的、安全性などについてご紹介しました。
添加物として使われるアミノ酸(グルタミン酸ナトリウム)の安全性は専門家の間でも意見が分かれています。
現段階では過剰摂取を控えたほうがいいでしょう。
また、アミノ酸が含まれる加工食品から、発がん性物質が生成されることもあります。
アミノ酸等の添加物が入っていないものやアクリルアミドのレベルが低減された、オーガニックの食品を選ぶといいでしょう。

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