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食品添加物のセルロースとは?用途や体への影響についても詳しく解説

食品の裏面シールに記載されている「セルロース」をご存じでしょうか。
セルロースはチーズやゼリー、アイスなどによく使われている食品添加物です。
今回はセルロースとは一体何なのか、特徴や用途、体への影響について解説します。

セルロースとは?

セルロースは不溶性の食物繊維です。
穀類や大豆などに多く含まれており、日本人が食べる食物繊維のほとんどはセルロースだと言われています。
植物にとってセルロースは細胞壁の主成分で、植物を形作る大切な役割を果たしています。

セルロースの特徴「水を含むと膨張する」

セルロースは水や油には溶けませんが、水を含むと膨張する性質を持っています。
そのためセルロース(不溶性食物繊維)を摂取するとおなかの中で水を含み膨張し、便のカサを増加させるので、便秘改善の効果も期待できます。
食物繊維は便通に良いとよく言いますが、セルロースの吸水性によるものなのです。

セルロースにはさまざまな用途がある

セルロースは精製や粉末化、化学処理をすることで、さまざまな用途として使われています。衣類や化粧品、食品添加物などその用途は多岐にわたります。

セルロース系繊維

セルロースを原料として作られる繊維のことを「セルロース系繊維」といいます。
セルロース系繊維には、綿や麻、レーヨン、キュプラなどがあります。
木材に含まれるセルロースを、化学的に溶かして繊維状に織り込むことで作ります。
そのためセルロース系繊維は「再生繊維」とも呼ばれています。

セルロース微粒子

セルロースは吸水性が高いので、その性質が化粧品との相性がよく化粧品原料としても30年以上使われてきた歴史があります。
セルロースがセルロース微粒子として加工され、ファンデーションや美容マスクなどに活用されています。

食品添加物としてのセルロース

セルロースは食品添加物としても利用されています。
特にシュレッドチーズや粉チーズに利用されることが多く、チーズとチーズがくっつかないようにする役割をしています。
他にも安定剤(粘り気)としてゼリーやドリンク、アイスクリームにも使用されています。

食品添加物セルロースの体への影響は?

セルロースは食物繊維なので人間の体では分解できず、そのまま体外に排出されます。
そのためセルロースそのもの(野菜など)を摂取した場合には何も問題はありません。
しかしセルロースを加工して使っている加工セルロースの場合には、不明点が多いこともあり一部では健康への影響が懸念されています。

セルロースは国に認められている食品添加物

体に悪影響があるのではないかと危惧されている加工セルロースですが、日本では厚生労働省で安全性が確認され、使用を認められているものです。
ラットへの動物実験により、体内動態や毒性、発がん性、遺伝毒性など多数の項目について実験が行われ安全性が確認されています。
そのためセルロースを過剰に危険視する必要はありませんが、それでも心配な方は食品を選ぶ際に原材料シールを確認するとよいでしょう。

セルロースにADI(1日摂取許容量)は設定されていない

加工セルロースはJECFAによって1989 年に「ADI を特定しない」と評価されている食品添加物です。
JECFAとは、添加物の安全性試験の結果を評価し、一日摂取許容量(ADI)を決定している機関です。

加工セルロースの体内動態に関する試験結果では、ほとんどが体内に吸収されないと考えられ、毒性試験では食物繊維を大量摂取した際にみられるものと同じ軟便などの消化管への軽度な影響のみありましたが、極めて毒性の低い物質であると評価されました。

また日本で加工セルロースは医薬品分野で使用経験もあり、これまでに安全性に関して問題が報告されたこともありません。
そのため加工セルロースが添加物として適切に使用される場合、安全性に懸念がないと
考えられ、ADI を設定する必要はないと評価されています。

まとめ

セルロースは不溶性の食物繊維で、野菜や樹木など植物の細胞壁の主成分です。
吸水性が高く、セルロースを摂取することで便通改善の効果が期待できます。
セルロースを加工することでさまざまな用途で利用できますが、特に身近なのは食品添加物としてのセルロースでしょう。
食品添加物として安全性が認められており、多数の試験の評価により一日許容摂取量(ADI)も設定する必要がないとされています。

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