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自然農法とは?歴史や有機農法との違いを詳しく解説

「自然農法」という言葉をご存じでしょうか。
農薬を使わない有機農法と同じように感じる方も多いと思いますが、自然農法は有機農法とは全く別の栽培方法です。
この記事では自然農法について、歴史やメリット、デメリットなど詳しく解説します。

自然農法とは

自然農法は、人が手を加えずに自然のままに作物を育てる方法です。
人が手を加えないということは、「耕さない」「農薬を使用しない」「肥料を与えない」「除草をしない」ということです。

それで本当に作物が育つの?と思ってしまいますが、山の中を想像してみてください。
人が手を加えなくても木には実がなり、その実を動物たちが食べて生きています。
自然にはもともと生命のサイクルがあり、その原点を利用しているのが自然農法なのです。

自然農法と有機農法との違い

有機農法との決定的な違いは「有機肥料を使わない」ことでしょう。
有機農法は、農薬や化学肥料は使いませんが、土を耕し有機肥料を使って作物の成長を促進します。

自然農法には明確な栽培方法の取り決めはありませんが、できるだけ自然に近い状態で土の栄養の力で作物を育てます。

自然農法の由来・歴史

自然農法は2人の人物が提唱し、受け継がれてきた農法です。

岡田茂吉

岡田茂吉は1936年に自宅の庭で野菜の栽培の試行錯誤を繰り返し、自然農法の基本的な「無農薬、無肥料」の考え方を確立しました。
岡田茂吉が提唱した理念を受け継ぎ、活動を行っているのが秀明自然農法やMOA自然農法文化事業団です。細かい違いはありますが、両者とも土を耕すことと除草は認め、無肥料、無農薬を原則として栽培しています。

福岡正信

福岡正信は1937年実験的に自然農法を始め、1947年には「不耕起、無肥料、無農薬、無除草」を4つの柱とした自然農法を提唱しました。
著書に「自然農法 わら一本の革命」があり、自然農法のあり方やその方法を残しています。

自然農法のメリット

人の手を加えない自然農法にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

環境に負担をかけない

自然農法は農薬や化学肥料を使用しないため、環境に負担をかけず、自然環境と共存し、長く続けられる農業です。
農薬や化学肥料を使う慣行農法は、野菜に微量の薬剤を残すだけでなく、土にも大きな影響を与え、その土地に住んでいる虫や微生物などの生態系に悪影響を与えていると考えられています。

皮ごと食べても安心

農薬を使用していないので、皮まで安心して食べられます。
特に皮と実の間には豊富な栄養が含まれるので、栄養素をまるごと摂取できるのがメリットです。

野菜の味にえぐみが出にくい

化学肥料を使わずに育てると、味にえぐみが出にくく、優しい味わいになると言われています。これは肥料による過剰な窒素が発生しないためです。
野菜本来の味を感じられるので、一度試してみてくださいね。

自然農法のデメリット

自然農法は、環境に優しく安心安全な野菜を収穫できますが、一方でどんなデメリットがあるのでしょうか。

成長が遅い

自然農法は肥料を使わないため、他の栽培方法に比べると成長が遅いです。
自然のサイクルに合わせてゆっくりと成長します。

収穫量が少ない

農薬や肥料を使わない自然農法は、計画よりも少ない収穫量になってしまいます。
虫の被害や、成長のスピードが遅くなるのが原因です。
そのため自然農法で販売する野菜は、価格も高くなってしまいます。

除草をする場合、手間がかかる

自然農法の基本に「無除草」も含まれていますが、場合によっては除草する場合があります。
しかし、農薬は使わないという大原則があるので、除草は手作業や除草機で行う必要があり、除草剤をまくよりも大きな手間がかかってしまいます。

自然農法は法律で規定されていない

自然農法は、有機農法のように法律で定められていません。
そのため、自然農法といっても農家ごとで栽培方法が異なります。
大前提は「無農薬、無肥料」ですが、土を耕すことと、除草については状況により行うこともあります。

自然農法の商品の見つけ方

有機農法の場合、法律で定められた基準に満たすものに「有機JASマーク」を付けることで商品を区別化しています。
では自然農法の商品はどのようにして見つけたら良いのでしょうか。

自然農法マーク

先述した「MOA自然農法文化事業団」が定めるMOA自然農法ガイドラインに従って栽培された農産物には、自然農法マークが貼付されています。
また、自然農法と袋に記載されていることもありますが、あくまで農家ごとの基準で自然農法を掲げてる点に注意しましょう。
生産者が直接販売している場合は、聞いてみるといいですね。

通販を利用する

有機野菜はスーパーでもよく見かけるようになりましたが、自然農法の野菜はなかなかお目にかかれないのが現実です。
自然農法の野菜は収穫量も少なく貴重なので、通販で販売している農家も多くあります。
そのため、一度自然農法の野菜をインターネットで探してみましょう。

まとめ

自然農法とは、人が手を加えずに自然のままに作物を育てる方法です。
「耕さない」「農薬を使用しない」「肥料を与えない」「除草をしない」を原則に育てた野菜は、環境に優しく安心・安全な野菜として価値も高くなります。
一方で、デメリットは農薬・肥料を使わないため、成長速度が遅く、虫や雑草の対処に悩まされることです。
自然農法は明確な方法が定められていないため、各農家で試行錯誤しながら栽培しています。
自然農法に興味のある方はぜひ一度、自然農法で作られた野菜を食べてみてくださいね。

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