酸化防止剤って何?種類や安全性についても解説します

ワインには必ずと言っても良いほど添加されている「酸化防止剤」。
食品ラベルで見たことがある人も多いのではないでしょうか。
「酸化防止剤って何?」
「健康への影響は大丈夫なの?」
という方に向けて、この記事では酸化防止剤とは何か、なぜ使われるのか、安全なのかという疑問を深堀りしていきます。

目次

酸化防止剤とは

酸化防止剤とは、その名の通り「食品の酸化を防止する」食品添加物の1つです。
食べ物は空気(酸素)に触れると酸化します。
酸化することで、色や風味の変化や栄養価値が下がるなどの「品質の低下」が起こるため、それを事前に防止するために酸化防止剤が使われています。

酸化防止剤の仕組み

酸化防止剤は、食品に代わって自身が酸化されることによって、食品の酸化を防ぎます。
つまり、食品の身代わりに酸化してくれるのが酸化防止剤です。
酸化防止剤は食品だけでなく、化粧品や合成樹脂、ボディーソープなどに使われることもあります。

酸化防止剤の種類

ビタミンC(L-アスコルビン酸)

アスコルビン酸は水に溶けやすく、酸性で強い還元作用があることが特徴です。
食品の変色や劣化を防止します。
切ったりんごをレモン水につけておくと変色を防げることは有名ですが、これはレモンに含まれるビタミンCの抗酸化作用によるものです。

アスコルビン酸は酸化防止剤の他に、ビタミンCとして栄養強化目的で使用されることもある食品添加物です。

ビタミンE(トコフェロール)

トコフェロールは特に油脂の酸化を防止するのに使用されます。
植物油脂から分離して得られるほか、化学合成によって作られるdl-α-トコフェロールも酸化防止剤として使われています。

カテキン

ツバキ科チャ(緑茶)の茎や葉から抽出したものの主成分がカテキンで、酸化防止剤として使われています。
カテキンはビタミンE、クエン酸、ビタミンCを併用することによって、より酸化防止効果を発揮します。

合成酸化防止剤

合成酸化防止剤とは、化学合成によって作られた酸化防止剤です。
高い抗酸化力を持ちますが、健康面への影響が心配されており、現在では厳しい基準のもと添加できる食材や添加量が定められています。

BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)

BHTは、p-クレゾールとiso-ブチレンの化学的合成により作られ、脂溶性で安定した抗酸化力をもっています。
アスコルビン酸などと併用されることが多い酸化防止剤です。

BHA(チルヒドロキシアニソール)

BHAは、p-ヒドロキシアニソールにtert-ブタノールの化学合成により作られています。
BHTよりも優れた酸化防止効果を持ち、油脂や魚の加工品に使われることの多い酸化防止剤です。

ワインに使われる酸化防止剤(亜硫酸塩)

酸化防止剤として、ほとんどのワインに使われているのが「亜硝酸塩」です。
亜硫酸は、二酸化硫黄(SO2)と酸素(H2O)が合わさった化合物で、酸化しやすいワインの品質の保持にかかせない食品添加物です。

酸化防止剤の安全性

酸化防止剤は食品添加物として、厚生労働省により「一日摂取許容量」が法律で定められています。一日摂取許容量とは「生涯にわたり毎日摂取し続けても影響が出ないと考えられる一日あたりの量」です。
食品の種類別にも添加量の上限が定められているので、通常の生活で「一日摂取許容量」を上回ることはほとんどありえません。
このことから、酸化防止剤に対して過剰に反応する必要はないでしょう。

酸化防止剤は私たちの生活に欠かせない食品添加物の1つ

酸化防止剤は、食品の酸化を防ぎ品質を維持することに役立っています。
食品添加物というとあまり良くないイメージを持つ方も多いですが、食品に対しての使用量などが厳しい基準で定められており、安全性も確認されたものが使用されています。
私たちの食生活を豊かにする一面をもつ酸化防止剤は、生活に欠かせない食品添加物となりつつあります。

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