精米ってなに?分づき米の種類や自分で精米する方法を徹底解説

お米は古くから日本人に親しまれている食材ですよね。
このお米は店頭ではほとんど『精米』された状態で売られています。
この記事では、精米とは何なのか、メリットやデメリット、精米の種類など詳しく解説していきます。

目次

精米とは、玄米から米ぬかと胚芽(はいが)を取り除くこと

精米とは「玄米から米ぬかと胚芽を取り除くこと」です。
お米は収穫されたときは、黄色い殻につつまれた「籾(もみ)」の状態です。
そこから籾すりをすることで「玄米」になります。
玄米は、周りが米ぬかで包まれており、一部の凹んだ部分には胚芽があります。
米ぬかと胚芽を取り除くことを「精米」といい、精米をすることで店頭に並んでいる真っ白の白米の状態になります。

精米する2つのメリット

玄米でも食べられるお米を、精米して白米にするメリットは大きく2つです。

雑味がなくなり甘みが感じられる

精米する一番の理由は「おいしくなる」からでしょう。
米ぬかや胚芽があると、口当たりも固くなりますし、独特の雑味を感じてしまいます。
米ぬかや胚芽を取り除くことで、お米の中心部の甘みをより感じられるようになります。
昔は玄米食が主流でしたが、白米が主流に切り替わったのは、食環境がよくなったことに加え、白米がおいしいということが大きな理由です。

消化吸収が良くなる

玄米のまま食べるよりも、白米にしたほうが消化吸収が良くなります。
米ぬかには体では消化できない食物繊維が含まれています。
一方で食物繊維は腸を刺激し、便のかさを増す作用もあるため便秘の方には積極的にとるとよい栄養素です。

精米する2つのデメリット

精米するデメリットは2つです。

栄養が抜けてしまう

米ぬかや胚芽部分にはビタミンEやビタミンB1、食物繊維、カルシウム、鉄分などの多くの栄養素が含まれています。
精米することで味はおいしくなりますが、これらの栄養素がほとんどが抜け落ちてしまうので栄養素的な観点から考えると、まるごと栄養素を摂取できる玄米のほうが優秀であると言えます。

米の老化(酸化)が早くなる

お米の中心部は酸素に触れると酸化し、おいしさが損なわれていきます。
そのため、お米は精米直後が一番おいしいと言われています。
見た目にはあまりわかりませんが、精米後は早めに食べるようにすると良いでしょう。

精米の種類は「3分づき」「5分づき」「7分づき」「白米」

精米というと白米にするというイメージがありますが、実は精米にもいろんな種類があり、大きく分けると「3分づき」「5分づき」「7分づき」「白米」の4種類です。

栄養満点の「3分づき」

玄米の3割を精米したものを「3分づき」といいます。
7割は米ぬかや胚芽が残っているのでまだ玄米感が強いですが、玄米よりも食べやすく栄養価が多く残っているのが特徴です。
玄米の風味が嫌いでないなら、少し硬めのご飯という感覚で取り入れられますよ。

ぷちぷち食感が楽しい「5分づき」

玄米の5割を精米したものを「5分づき」といいます。
半分が精米されているので、見た目も白いご飯に近く、口当たりも優しくなります。
少し玄米の硬さがのこっているような、ぷちぷちとした食感が特徴です。
胚芽や米ぬかの栄養素も半分残っているので、おいしさと栄養のバランスが一番良い精米方法です。

ぶづき米初心者におすすめ「7分づき」

玄米の7割を精米したものを「7分づき」といいます。
見た目も味もほとんど白米と変わらないので、分づき米初心者にもおすすめです。
3割の栄養素は残っているので、普段と同じようなお米を食べて栄養は普段よりも多く摂取できる点が嬉しいですね。
無理なく食事に取り入れたい方は、ぜひ7分づきからはじめてみてください。

おいしさ重視の「白米」

米ぬかも胚芽も全部取り除いたものが「白米」です。
余計な雑味がない分、米本来の甘さやうま味を感じやすいのが特徴です。
スーパーなどで販売されているお米は、ほとんどが「白米」に精米されていることもあり、一般的には一番親しまれている精米方法です。

栄養の観点から「分づき米」を取り入れる人が増えている

スーパーなどの店頭には「白米」が一番多く並んでいますが、近年は健康を意識し「分づき米」を取り入れる人が増えています。
「分づき米」は日本人の主食であるお米そのもので、栄養価をアップさせられるのが魅力です。
特に分づき米で補えるビタミンやミネラル、食物繊維は私たちの生活で不足しやすい栄養素であり、抗酸化作用による老化の防止や、便秘の改善も期待できます。

玄米から自分で精米する2つの方法

玄米を購入すれば、自分で精米することも可能です。
自分で精米すると、分づき具合も調整できるのが嬉しいポイント。
お米は精米したてが一番おいしいので、精米してすぐに炊いたご飯を食べてみてくださいね。自分で精米する2つの方法をご紹介します。

コイン精米所を利用する

都会ではなかなか見つからないかもしれませんが、近くに「コイン精米所」がある場合は、利用してみましょう。
コイン精米所は自販機のような作りになっていて、自分で玄米を持ち込み「精米する量」と「精米の具合」を選んだらすぐに精米ができます。
料金も5kg100円〜くらいなので、気軽に利用できますよ。

精米機を購入する

コイン精米機がない場合や、少量ずつ精米したい場合は「家庭用の精米機」を購入すると、とても便利です。
炊飯器やミキサーのような形の小型の精米機が多く、場所も取らずに炊飯前に手軽に精米ができるのが魅力です。
精米機の種類によっては、古くなったお米をもう一度精米して新鮮さを取り戻す「白米みがき」の機能などもついています。
精米後はお米とぬかにわけられるので、ぬかも取っておくとさまざまな用途で利用できますよ。

美味しく食べられる期限は精米してから1ヶ月〜2ヶ月

お米に賞味期限は記載されていませんが、精米日時は記載されています。
精米から時間がたつとともに酸化し味も落ちていくので、目安として1ヶ月〜2ヶ月で食べ切るようにしましょう。
特に夏場は酸化が進みやすいため、1ヶ月を目安にしてください。
また、正しく保存することでおいしさが長持ちするので、以下に「お米の正しい保存方法」をご紹介します

精米後のお米の正しい保存方法は「高温多湿を避ける」こと

お米の酸化を防ぐためには、保存方法も大切です。
「高温多湿を避ける」ことを基本に、保存場所など工夫しましょう。

密閉容器や密閉袋に入れる

お米は酸化を防ぐために、できるだけ空気にふれさせないように、密閉容器や密閉袋に入れて保存するのがよいです。お米用の容器や袋が販売されていることも多いので、お米を買う量に見合った容器を準備しておきましょう。

冷蔵庫で保存

意外と知らないのが、お米は冷蔵庫で保存するほうが良いということです。
冷蔵庫の中に余裕があれば、冷蔵室や野菜室で保存しましょう。
冷蔵庫に入れるのが厳しければ、直射日光に当たらない涼しい場所で保存してください。

分づき米のおいしい炊き方

分づき米は米ぬかが付いている分白米よりも吸水が悪いため、水加減や炊き方に少し工夫が必要です。

分づき米の水加減

【鍋で炊く場合】
・7分づき…1.2倍
・5分づき…1.2~1.4倍
・3分づき:1.5倍

【炊飯器で炊く場合】
・7分づき/5分づき…白米の目盛りに合わせる
・3分づき…玄米の目盛りに合わせる

水加減は白米と同じくらいか、少し多いくらいに調整すると良いでしょう。
何回か炊飯してみて、一番すきな硬さを見つけてくださいね。

分づき米の浸水時間

・7分づき…2時間程度
・5分づき…3時間程度
・3分づき…5時間程度

分づき米を炊くときは、浸水時間が白米よりも長くなります。
少し面倒に感じますが、分づき米を炊くときには浸水時間がとても大切です。
浸水時間が短いと、お米に水が浸透せずに炊きあがってしまい硬く食べづらいご飯になってしまいます。
精米の割合が低いほど多く浸水時間を確保するようにしてください。
また白米よりも浸水時間が長くなるので、浸水中は冷蔵庫に保存するようにしましょう。

自分で精米して新鮮なお米のおいしさを味わってみよう

「精米」とは玄米から米ぬかと胚芽を取り除く作業です。
お米は精米した状態で売られていることが多いですが「自分で精米する」こともできます。
自分で精米すると新鮮で一番おいしい状態のお米を食べられるほか、好みの分づき具合が選べるので、ぜひ試してみてくださいね。

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