食品添加物の「消石灰」とは?用途や取り扱いの注意点についても解説

こんにゃくの原材料に含まれる消石灰(しょうせっかい)をご存じでしょうか?
消石灰はさまざまな分野で活躍し、食品添加物としても必要不可欠な物質です。
この記事では「消石灰ってなに?」「食べても大丈夫なの?」という方に向けて、特に食品添加物としての消石灰について解説します。

目次

消石灰とは水酸化カルシウムのこと

消石灰という言葉は知らなくても、水酸化カルシウムはなんとなく知っている方も多いのではないでしょうか?
消石灰は水酸化カルシウムのことで、白い粉状で強いアルカリ性を示します。

消石灰は石灰石が原材料です。
石灰石を細かく砕き加熱し、さらに水を加え熟成させることで消石灰を製造しています。

消石灰はさまざまな用途に使われる

消石灰は酸性に傾いた土壌を中和したり、排ガス処理、鉄鋼・非鉄金属の脱硫、排水中和などに使われています。そのほかにも建築分野では、モルタルや漆喰(しっくい)の材料など幅広い業界から必要とされています。
このように消石灰が多くの場面で使われる理由は、強アルカリ性ながら劇物ではないという扱いやすさと、原材料が石灰石で安価に製造できる物質だからです。

食品添加物としてこんにゃくの凝固剤に使われている

では、わたしたちの生活で一番身近に使われている食品添加物としての消石灰を見ていきましょう。
消石灰は主にこんにゃくの凝固剤として利用されています。
原材料表示シールで見たことのある方も多いのではないでしょうか。

こんにゃく芋に含まれる「こんにゃくマンナン」は、アルカリ性物質により固まる性質があります。この性質を利用して、昔は「草木灰(草木を燃やして灰にしたもの)」を使っていましたが、現在では消石灰の流通が盛んになったことから、消石灰を使ったこんにゃくの製造が一般的になりました。
また、こんにゃく芋はシュウ酸やフェノール誘導体などの独特のエグみをもっており、このエグみを消石灰で中和するという働きもあります。

消石灰を使って手作りこんにゃくも作れる

こんにゃくは買うものというイメージがありますが、こんにゃく芋と消石灰さえあれば簡単に手作りが可能です。
こんにゃく芋を茹でてミキサーでなめらかになるまですりつぶし、消石灰を入れてさらに混ぜ合わせます。固まったら、手頃な大きさにきって大量のお湯で湯がきアク抜きをして完成です。
こんにゃく芋を混ぜる作業が重労働ではありますが、おいしいこんにゃくを作れますよ。

食品添加物用の消石灰(水酸化カルシウム)がネットでも販売しているので、興味のある方は試してみてくださいね。

【取り扱い注意】消石灰はタンパク質を溶かす働きがある

消石灰はさまざまな用途に使えて便利な物質ですが、タンパク質を溶かす性質があるので、取り扱いには注意が必要です。
皮膚や目に触れないように、手袋などをして扱うようにしましょう。
特に目に入ると失明する可能性もあるので、要注意です。

かつては学校のグラウンドに引く白線にも消石灰が使われていましたが、危険性が高いという理由から使用が禁止されています。

消石灰の安全性は?

強アルカリ性でタンパク質を溶かす働きがあると知ると「食べても大丈夫なの?」と感じてしまいますが、微量であれば胃酸で中和されるため問題はありません。
また食品添加物は厚生労働省により、安全だとも認められたものが認定されているので、食品添加物である消石灰は安全だと言えます。
食品添加物として消石灰が使われている食材を食べる分には大丈夫ですが、それ以外で過剰に摂取することは危険なので注意しましょう。

まとめ

消石灰は、わたしたちの生活のさまざまな場面で役立っています。特に食品ではこんにゃくの製造には必須の食品添加物です。
危険な性質をもつ部分もありますが、安全性は確認されているので安心して食べてくださいね。

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